かけだし頭頸部がん専門医のための "Web-Seminar"

  個別的治療の紹介を中心に

  頭頸部がんの90%以上は、いわゆる「標準的治療」が行われていると思われます。しかし、患者の病状は個々に異なりますから、ガイドラインが推奨する(標準的)治療が必ずしもその患者にとって最適な治療法とはなりません。「手術」には拡大切除から内視鏡手術まで大きな差があります。声帯を温存できるのか、顔面神経麻痺は遺るのか、術後の顔貌はどうなるのか等々、治癒率だけではなく治療後のQOLも治療法選択の重要な条件となります。喉頭癌T3では通常喉頭全摘術が第一選択となりますが、一側声帯を保存する機能温存手術が可能である場合もあります。また鼻副鼻腔がんT4は通常手術適応はありませんが、頭蓋底合併切除で治癒が得られることもあります。篩骨洞癌の放射線治療では、患側眼球を避けて放射線治療を行うことは困難ですが、しかしサイバーナイフを使うことで、眼球に放射線障害を残さない照射野設定が簡単にできます。

  手術で音声を失うのは生きている意味がないと考える人もいれば、音声を失っても生きていたいと思う人もおり、患者の人生観にはかなりの幅があります。生命を救うことを第一義としした治療法の提案は、必ずしも患者の価値観に合うとは限りません。

  1980年代に遊離皮弁による再建術が導入され、進行癌の治療成績が格段に向上しました。しかし、Stage IVの治療成績は期待したほどではなく、拡大切除の限界を知ることになったわけです。頭蓋底外科など拡大手術は維持しながら、QOL重視の機能温存手術に方向転換して10年が経過しました。

  今でも拡大手術が必要な場面がありますし、縮小手術だけでなく、CCRT、粒子線、超選択的動注など選択肢が増えました。担当医としては治療法の選択に迷いが生じることも少なくないと思います。

  このHPでは、診療ガイドラインには掲載されていない治療法ですが、私の経験で有効と考えられる治療法・手術法を紹介いたします。術式としては頭蓋底手術、顔面神経保存の工夫、特殊なアプローチ、副咽頭間隙腫瘍の低侵襲手術など供覧します。また、将来計画ですが、手術の基本手技も動画でお見せできるようにするつもりです。日々の診療の参考になさってください。

  また、定位放射線治療のひとつであるサイバーナイフの好適応となる症例、適応とならない症例、その違い、至適線量などについて、この5年間300例の経験をお話しいたします。頭頸部癌治療におけるサイバーナイフの役割について考えてみます。

 

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千葉徳洲会病院    http://www.chibatoku.or.jp/

 耳鼻咽喉科

 頭頸部外科センター

  

2013年9月で三田病院を定年退職しました。

引き続き、頭頸部腫瘍(悪性・良性を問わず)を中心に診療を続けます。

サイバーナイフ治療は横浜サイバーナイフセンターと提携し、これまでどおり実施しております。

セカンドオピニオンは随時受け付けております。

 

鎌田信悦 (カマタシンエツ)