悪性黒色腫

80歳、篩骨洞悪性黒色腫、 
80歳、篩骨洞悪性黒色腫、 

 

80歳、男性、 鼻出血を主訴に来院。

左中鼻道に易出血性腫瘍を認めた。

生検の結果、悪性黒色腫であった。

 

80歳という高齢と、軽度認知症のため、治療法は低侵襲であることが望まれた。冠動脈狭窄があり75歳でステント装着、Cr:2.26    通院3日間で治療が完結するサイバーナイフが選択された。

 

頭蓋底切除手術高リスク、腎機能低下ありCCRTは不可、RT単独では期待できず、このような場合、サイバーナイフが好適応となる。

サイバーナイフ 線量分布
サイバーナイフ 線量分布

 

腫瘍の形態にほぼ一致した線量分布が得られる。

赤色の辺縁が95%領域、赤色辺縁の内部には少なくとも95%以上の線量が与えられる。

 

腫瘍以外の健常部位に無用な照射が及ばないため、低侵襲治療である。

高齢者にも適応可能であり、「低侵襲」はサイバーナイフの優れた特徴である。

 

鼻副鼻腔は骨に囲まれており、腫瘍浸潤が骨壁でブロックされている場合が少なくない。

そのような場合には、腫瘍浸潤はCT画像で正確に把握できるので、照射野の設定に困難はない。

しかし、CT,MRI画像では捉えられない粘膜面の腫瘍浸潤も、当然ながら照射野に含ませなければならず、内視鏡で腫瘍浸潤を確認した上で、照射野を決めなければならない。

頭頸部癌のサイバーナイフ治療においては、耳鼻咽喉科との密な連携が必須である。

サイバーナイフ後2年、CR
サイバーナイフ後2年、CR

サイバーナイフ後2年経過し、CRを得ている。鼻腔内に痂皮が付着すること以外に、とくに有害事象は生じていない。PET-CTでも再発、転移は認めていない。 認知症が若干亢進し、在宅介護の支援を受けている。低侵襲治療が奏功した代表例である。

サイバーナイフ(悪性黒色腫)
サイバーナイフ(悪性黒色腫)

 

 

前頭洞篩骨洞悪性黒色腫 : 初発症は眼球突出、複視、鼻出血

サイバーナイフ治療前と治療後の画像を示す。

 

原発巣は完全に消失、視力障害もなく3年経過。サイバーナイフ後3年半、腰痛で多発遠隔転移(全身骨、肝、肺)発見、化学療法をおこなったが効なく死亡。

サイバーナイフ線量分布
サイバーナイフ線量分布

 

 

生存期間、患側の視力障害は認めていない。

悪性黒色腫の多くは遠隔転移が生ずる。遠隔転移を制御できるかどうかが重要な予後因子である。

 

千葉徳洲会病院    http://www.chibatoku.or.jp/

 耳鼻咽喉科

 頭頸部外科センター

  

2013年9月で三田病院を定年退職しました。

引き続き、頭頸部腫瘍(悪性・良性を問わず)を中心に診療を続けます。

サイバーナイフ治療は横浜サイバーナイフセンターと提携し、これまでどおり実施しております。

セカンドオピニオンは随時受け付けております。

 

鎌田信悦 (カマタシンエツ)